【最新版!平成29年6月30日施行】経営業務管理責任者要件が改正されます!
2017.06.29更新
以前より触れてきました経営業務の管理責任者(以下「経管」)要件の改正が、ついに官報に記載されました!
それを基に、【大阪】の建設業の手引きも改訂されました。
ちなみに施行は平成29年6月30日よりです。
ほんじゃ本題に入りましょう!
下記、今回の改正点です。
※ 2017年8月23日【補佐経験における「準ずる者」の見直しについて】など記載を訂正しました。
目次
補佐経験における「準ずる者」の見直しがされました
経管要件の経験のうち、「経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締結等の業務全般に従事した経験(補佐経験)」について、「準ずる地位」に「組合理事や支店長、営業所長、支配人に次ぐ職制上の地位にある者」が追加されました。
以前との対比を表すと、下記の通りになります。
- 改正前→「業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にある者(法人の場合)」のみ。
- 改正後→「組合理事、支店長、営業所長又は支配人に次ぐ職制上の地位にある者」も補佐経験を認める。
つまり副支店長や建設部長とかでもOKって解釈ですかね。曖昧な表現せんとハッキリ明示させればいいのにと思うのは関西人だからでしょうか。
まぁ副支店長等や建設部長にまで拡大されたのは建設業界においては朗報ですね。
これを証明する資料を大阪の手引きより抜粋します。
(下記ア~エのすべての書類が必要)
ア)経営業務の管理責任者証明書(様式第 7 号)の証明者の 3 か月以内の 印鑑証明書(証明者と申請者が同一の場合を除く。)
まぁこれは余裕で用意できるでしょう。
イ)準ずる地位(職制上の地位)であることを確認するための書類(経営業務の管理責任者証明書(様式第7号)の証明者が法人の場合のみ)
- 証明期間の法人組織図その他これに準ずる書類
ウ)補佐経験の在職期間を確認するための書類(a又はbのいずれかの書類)
a→法人の役員の補佐経験を確認するための書類(以下のいずれかの書類)
- 被保険者記録照会回投票年金事務所の窓口に行けば当日に発行してくれます。
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者離職票(申請時に離職している場合)
b→個人事業主の補佐経験を確認するための書類
- 証明者である個人事業主の補佐経験年数分の所得税の確定申告書のうち第一表
受付印や受信通知は必ず確認されるので要注意です。
※第一表に税務署の受付印はないが第二表に税理士等の記名捺印がある場合は第二表も必要になります。 - 事業専従者欄又は給料賃金の内訳欄に氏名
- 金額の記載のある書類
エ)申請する業種の経験年数を確認する書類(各書類は補佐経験年数分(6年以上)全て必要)
※証明者が法人の役員の場合
- 法人税確定申告書のうちの第一表
- 工事内容、工事期間、請負金額が確認できる工事契約書、注文書、請求書等
(「証明したい業種について、確認できた工事と次の工事との期間が 12 か月以上空かなければ連続した期間、経験があるって見てくれます。)
※証明者が個人事業主の場合
- 所得税確定申告書のうち第一表
- 工事内容、工事期間、請負金額が確認できる工事契約書、注文書、請求書等
個人の補佐経験については改正前と同じ解釈でいいでしょ。補佐経験の拡大のターゲットは法人な気がしますし。
ここで一個疑問点!副支店長(次長)ですが、《次長》とは、企業における《部長》を補佐する役職者、《課長》を監督する役職者って定義がありますよね。
普通に考えたら契約書とか注文書とか請求書とかは、支店長の名前使うのが筋なんじゃないかなと一般ピープルの私は思うわけです。
と考えたらこんなもん過去にさかのぼって(これからも)用意してる会社なんて無いと思えてきます。
改正前の業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にある者(法人の場合)ならわかるんですけどね。
まぁ副支店長や建設部長とかは登記の内容ではないので謄本じゃ証明できひんから、いかようにもなる気がしますが…
そこで久しぶりにこのコーナー!
大阪建築振興課に聞いてみた!
Q.組合理事や支店長、営業所長、支配人に次ぐ職制上の地位にある者って具体的にどんな役職なん?副支店長とか営業次長って解釈でOK?
A.今回の改正は建設業の裾野を広げるというのが目的なんでそんな解釈でOKです。要するに役職の名称にはそこまでこだわらず、補佐経験があることにフォーカスを置いています。
Q.手引きには上記のような確認資料が列記されてるけど、契約書とかに副支店長とかは記載せーへんやんか?全て出せって書いてるけど無理やんか?
A.手引きにはそう書いてますけど、①ア)印鑑証明書②イ)組織図等で補佐経験を確認できること?③ウ)補佐経験者としての在職期間確認資料の3点があればまぁまぁ(笑)って感じですかねぇ。請け負ったことない業者さんは契約書とか出せないですからね。法人の確定申告書はほしいですけど。
あまり時間がなかったので、これぐらいしか聞けませんでしたが、追々もっと詰めますので疑問に思うことがあればお問い合わせください!
そういえば補佐経験と経営経験が6年以上あれば経菅になれますよっていうのもありましたね。
この改正で補佐経験+経営経験を持つ経菅(コラボ経菅)もかなり増えるのではないかと予想してます。
他業種経験等の《7年》が《6年》に短縮されました
許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経営業務管理責任者としての経験が7年あれば全ての業種の経菅になれますよ!というのがありましたね。
この7年が6年に短縮されました!
これで許可を受けようとする建設業以外で6年経験がある人はすべての業種の経管になれますね!
建設業許可取得の可能性が広がりました!
執行役員経験と補佐経験の年数も短縮!
ここは混乱しないように丁寧にやっていきましょう。
- 建設業の許可を受けようとする業種に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、次のいずれかの経験を有する者
- 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
ここは改正前と変わりないです。比較対象&おさらいでいれました!ここは5年なんで間違えないようにしましょう。
- 6年以上経営業務を補佐した経験
ここが変わりました!7年→6年です。
- 建設業の許可を受けようとする業種以外の業種に関し6年以上次のいずれかの経験を有する者
- 経営業務の管理責任者としての経験
これは一つ目の入り口に書いてますので説明は省略します。あくまで比較対象でいれているだけです。
- 経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から経営業務の執行に関して具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験
今までは執行役員経験では許可を受けようとする建設業に関する経験しか認められず、会社として経験したことがある種類の工事業種以外の経菅にはなれませんでしたね。
そこできました執行役員経験の拡充!なんでなれなかったのかが不思議でした。
普通の経管の要件と、執行役員経験での経管の経験年数に大差なくなりましたね。
国土交通省より執行役員の確認書類も明示されたんで記載しときます。
執行役員の確認書類
- 執行役員等の地位が業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にあることを確認するための書類
→組織図その他これに準ずる書類 - 業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する事業部門であることを確認するための書類
→業務分掌規程その他これに準ずる書類 - 取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従って、特定の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念する者であることを確認するための書類
→定款、執行役員規程、執行役員職務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規程、取締役会の議事録その他これらに準ずる書類 - 執行役員等としての経営管理経験の期間を確認するための書類
→取締役会の議事録、人事発令書その他これに準ずる書類
3種類以上の合算評価の実施
経営業務管理責任者要件として認められる経験(現行四種類)は現在一部種類について2種類までの合算評価が可能とされていました。
ここが改正されて下記のようなコラボ経管パターン(経験の合算)も認められるようになりました。
経営経験の合算について
経営経験については、以下の要件を満たした場合も、建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者として取り扱います。
(補足)建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者ってよく見ますよね。
具体的には下記の者のことをいいます。
イ 許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理者任者としての経験を有する者
※出だしにイって書いてるからイ該当ってよく言ってます。イ該当は所定の経験年数を積めば全ての業種の経菅になれるってやつじゃない方です。
経営業務の管理責任者の場合
- 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経営業務の管理責任者としての経験の期間と、許可を受けようとする建設業に関する経営業務の管理責任者としての経験及び執行役員等としての経営管理経験の期間が通算6年以上
執行役員等の場合
- 許可を受けようとする建設業に関する執行役員等としての経営管理経験の期間と、許可を受けようとする建設業に関する経営業務の管理責任者としての経験の期間が通算5年以上
- 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する執行役員等としての経営管理経験の期間と、許可を受けようとする建設業に関する経営業務の管理責任者としての経験及び執行役員等としての経営管理経験並びに許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する経営業務の責任者としての経験の期間が通算6年以上
経営業務の管理責任者に準ずる地位の場合(補佐経験)
- 許可を受けようとする建設業に関する補佐経験の期間と、許可を受けようとする建設業及びそれ以外の建設業における執行役員等としての経営管理経験並びに許可を受けようとする建設業及びそれ以外の経営業務管理責任者としての経験の期間が通算6年以上
複数の業種区分にわたる場合の特例
- 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する6年以上の経営業務の管理責任者としての経験及び執行役員等としての経営管理経験については、単一の業種区分において6年以上の経験を有することを要するものではなく、複数の業種区分にわたるものであってもOKです。
つまり一つの業種で6年がっつりやってなくてもいろんな業種の合算でOKってことです。
例をあげてみましょか。
(例)許可を受けようとするのは大工工事やけど、左官工事、とび・土工・コンクリート工事 、石工事で通算6年以上あればOKって感じですかね。
ここ結構なポイントになりそうな気がしますな。
とりあえず今回の改正は以上ですかね。
やっぱり経験年数の短縮+コラボ経管の増加は業界においては追い風になるのではないかと思います。
個人的には「複数の業種区分にわたる場合の特例」が一番気になるポイントなんですわ。
何回も言いますけどこの改正は平成29年6月30日から施行されます。
少しでも多くの企業が建設業許可を取得して大阪を盛り上げれれば大阪「建設業許可」インフォメーションは満足です。
今回はここまで!お疲れ様でしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。