建設業許可を取得する!経営管理業務責任者について初心者向けに1から徹底解説!【経験の続き】
2017.04.22更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
前回の記事「経営業務の管理責任者について~その2~【経験】」の続きです。
目次
【H29.5.21追記】経営業務管理責任者の要件が一部改正されます。(平成29年度6月1日施行)
改正ポイントは下記4点です。
- ① 経営業務管理責任者に準ずる地位にあって資金調達、技術者等配置、契約締結等の業務全般に従事した経験(補佐経験ですね)の一部拡大
- ② 他業者における執行役員経験の追加
- ③ 3種類以上の合算評価の実施
- ④ 他業種経験等の《7年》を《6年》に短縮
改正点の詳細については5/20更新の
「経営業務管理責任者要件が改正されます!(平成29年度6月1日施行)」記事参照
③について
③ 建設業の許可を受けようとする業種に関し経営業務の管理責任者である地位に準ずる地位(使用者が法人である場合においては役員に次ぐ職制上の地位をいい、個人である場合においては当該個人に次ぐ職制上の地位をいう。)にあって、次のいずれかの経験を有するもの。
- ア. 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員として5年以上建設業の経営業務を装具尾的に管理した経験。
- イ. 6年以上経営業務を補佐した経験
ここが一番ふわっとしててわかりにくいですよね。
ではまず執行役員ってなんやねん!から
執行役員ってなんやねん!
企業で実際に業務を執行する役員のこと。業務執行とそれを監督する取締役を分けることで、監督機能の強化と意思決定の迅速化を図るために存在します。会社法上の制度じゃないんです。
うちの会社の執行役員は経営業の管理責任者になれるんかな?
執行役員等については、許可を受けようとする個々の業種区分の建設業について、それぞれの建設業に関する事業部門全般の業務執行に係る権限委譲を受けている必要があります。
このため、許可を受けようとする建設業に関する事業の一部のみ分掌する事業部門(一部の営業分野のみを分掌する場合や資金・資材調達のみを分掌する場合等)の業務執行に係る権限委譲を受けた執行役員等は経営業務管理責任者として認められません。
「経営業務の管理責任者としての経験」は、業務を執行する社員、取締役、執行役もしくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行等、建設業の経営業務について総合的に管理した経験をいい、当該執行役員等による経営管理経験は「経営業務の管理責任者としての経験」には含まれません。
執行役員等が「これらに準ずる者」に該当するか否かの判断に当たっては、以下の書類により確認しましょう。
- 執行役員等の地位が業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にあることを確認するための書類(組織図その他これに準ずる書類)
- 業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする建設業に関する事業部門であることを確認するための書類(業務分掌規程その他これに準ずる書類)
- 取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従って、特定の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念する者であることを確認するための書類(定款、執行役員規程、執行役員職務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規程、取締役会の議事録その他これらに準ずる書類)
執行役員経験が6年経過していても、すべての業種の経営業務の管理責任者になることはできない
もう一つ、大きな特徴としては執行役員経験が6年経過していても、すべての業種の経営業務の管理責任者になることはできないです!
5年で経営業務の管理責任者の経験を認めてもらえますが、取締役や営業所長のように6年経過してもすべての業種の経営業務の管理責任者になることはできないのです。このへんは難儀なとこですが覚えときましょう!
あくまで会社として経験したことがある種類の工事のみになります。
6年以上経営業務を補佐した経験てなんなん?
法人の場合は役員に次ぐ職制上の地位にあると認められる者として、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務すべてにわたって従事したと認められる経験をいいます。
確認資料としては名前が入ってる注文書や、その方を裁決者とする文書等が該当します。
補佐経験と経営経験やったらあわせて6年以上あんねんけど…
許可を受けようとする業種の経営業務を補佐した経験と許可を受けようとする業種またはそれ以外の建設業における経営業務の管理責任者としての経験があわせて6年以上あってもOKです。
④について
④ 国土交通大臣が上記の①~③に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
これに関しては弊所では経験したことはありません。一度大阪府住宅まちづくり部建築振興課にちらっと聞いてみようと思います。
補足
令3条の使用人は、次のとおり建設業法第7条第1号イの「経営業務の管理責任者としての経験を有する者」の一つとして認められており、該当期間が5年ないし6年あれば、建設業許可を取る上で経営業務の管理責任者としての要件として認められ、取締役等他の経験と合算して当該年数を満たすことも可能です。
令3条の使用人ってなんやねん?
令3条の使用人とは、「建設業法施行令第3条に規定する使用人」のことで、建設工事の請負契約の締結及びその履行に当たって、一定の権限を有すると判断される者で、支店及び支店に準ずる営業所の代表者、すなわち「支店長」「営業所長」のことです。個人事業でも支配人登記された支配人が該当します。
建設業法では、建設業法上の建設業者(許可を受けて建設業を営む者)が従たる営業所である支店や営業所に責任者を置くことを予定しており、それを「令3条の使用人」として取り扱っていますので、建設業許可業者でない建設業者の支店長、営業所長等は該当しません。
令3条の使用人とは、大臣許可を受けた大手建設業者の支店長、知事許可業者でも本店以外の営業所等の長のケースがほとんどですが、役職名を問わず、令3条の使用人としての届出がされていれば該当します。
前回に続き、経営業務の管理責任者について書いてみましたがなかなかにやっかいですねー。
次回は経営経験期間の証明とその他について書いていこうと思います。
頑張っていきましょー!
お疲れ様でしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。