建設業許可を取得する!経営管理業務責任者について初心者向けに1から徹底解説!【経験期間の証明とその他】
2017.04.24更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
今回で最後と考えていましたが長くなりそうなので、分けることにします。
前回に引き続き(前回「経営業務の管理責任者について~その2~【経験】つづき」参照。)、今回もわかりやすくをモットーに【経験期間の証明とその他】について書いて行きたいと思います。
目次
色々なパターンで見てみます。
まずはパターン化しましょう
- ① 許可を持っていない法人の役員として経営経験があるパターン
- ② 許可は持っていないけど個人事業主として経営していたパターン
- ③ 過去に建設業の許可を受けていた建設業者(現在も引き続き許可を受けている者を含む)での経験を証明するパターン
- ④ 執行役員をしていたパターン
- ⑤ 経営を補佐してきたパターン
とりあえずこんなもんでしょう。
今から列挙する書類については証明したい期間分が必要ですので前もって準備しておきましょう。
① 許可を持っていない法人の役員として経営経験があるパターン
ア. 確定申告書、決算報告書(営業の実態確認)
※税務署の受付印または税務署の受信通知を必ず確認されます。
イ. 工事内容や工事期間、請負金額が確認できる工事契約書、注文書、請求書等(営業の実績確認)
※大阪府では証明したい業種について、確認できた工事と次の工事との期間が12か月以上空かなければ連続した期間、経験があることになります。
経験上、関西圏は1年に1~4件程度の書面による実績確認が求められますが、東京や埼玉では取り扱いが異なってきたりと自治体によって変わりますので注意が必要です。
ウ. 履歴事項証明書や閉鎖事項全部証明書(役員の常勤確認)や役員報酬手当及び人件費等の内訳書
閉鎖事項全部証明書って?→閉鎖された登記記録を記載している登記事項証明書のことです。(会社の過去がずらっと並んで記載されているって感じですかね)。
登記が閉鎖される場合としては、会社が解散し消滅した場合や本店移転により管轄法務局が変わる場合等があります。 管轄法務局が変わる場合は元の管轄法務局では登記が閉鎖され、新しい管轄法務局で登記がなされます。
コンピューター化される以前の閉鎖謄本については、管轄の法務局でしか取得することができません。
昭和や平成10年くらいより過去の経験で経営業務の管理責任者になるような場合は、コンピューター化される前の閉鎖謄本が必要になってくるので、当時の本店を管轄していた法務局へ行くか、郵送で取り寄せましょう!
上記のア~ウで確認できた期間がすべて重なる期間が経験年数
上記のア~ウで確認できた期間がすべて重なる期間が経験年数らしいです。
経営業務管理責任者の経験は合算なので途中で途切れても合計で5年か6年分証明できればOKです。
例を挙げてみましょう。
【例】Aさんが、以前勤めていた会社での経営経験(建築工事業)で証明をしたい場合
※下記記載の会社の決算期は3月31日と仮定しましょう。
◆法人税の確定申告書を「平成23、24、25、26、27、28年度分」を提示する。
23年4月~29年3月までの実態を確認できます。
◆工事があったことの確認書類を「平成23年4月~平成29年3月」まで提示。
※12か月以上あいてしまうとダメなので注意してください。
上記期間の実績を確認できますね。
◆閉鎖謄本でAさんが取締役として「平成23年4月1日就任」していたことを確認、
履歴事項全部証明書でAさんが取締役「平成27年6月1日重任」「平成29年1月24日辞任」を確認できた場合は、平成23年4月~平成29年1月まで役員であったことを確認できます。
確認できる資料からの通算期間で判断すると前述していますので、Aさんは平成23年4月~平成29年1月までを経験年数として認められるわけです。
② 許可は持っていないけど個人として飯を食っていた(経営していた)パターン
では次に②の「許可は持っていないけど個人として飯を食っていた(経営していた)パターン」です。
◆営業の実態 ⇒ 確定申告書のうち、第一表(これで建設業で飯食ってるなと判断できます)
詳しくは国税庁のHPをご覧ください。
※税務署の受付印または税務署の受信通知(電子申告の場合)は必ず確認される模様。
※第一表に税務署の受付印はないが第二表に税理士等の記名捺印がある場合は、第二表も必要になるようです。(税理士さんに確定申告頼んでたら必要って解釈です!)
◆営業の実績 ⇒ 工事内容・工事期間・請負金額が確認できる契約書や注文書、請求書
※証明したい業種について、確認できた工事と次の工事との期間が 12 か月以上空かなければってのは一緒です。
※こちらも確認できる資料からの通算期間で判断されます。
③ 過去に建設業の許可を受けていた建設業者(現在も引き続き許可を受けている者を含む)での経験を証明するパターン
◇過去に経営業務の管理責任者として証明されている場合(以下の書類)
◆建設業許可申請書又は変更届の一部(受付印のある表紙及び経験年数の証明期間に該当する経営業務の管理責任者証明書〈様式第7号〉)
→つまり建設業許可申請書又は変更届の中にある受付印のある表紙と証明期間に該当する経営業務の管理責任者証明書を出すってことです。
◇過去に経営業務の管理責任者として証明されていない法人の役員又は個人事業主における経験の場合
以下①及び④の書類又は、②、③及び④の書類
①建設業許可申請書又は変更届の一部(受付印のある表紙及び経験年数の証明期間に該当する経営業務の管理責任者証明書〈様式第7号〉)
②建設業許可通知書(経験年数分)
→許可を受けた時に許可期限○年○月○日~○年○月○日って記載されてるものです。
③ 決算変更届の一部(直近分)(受付印又は確認印のある表紙若しくは完了通知のはがき)
→廃業せずに事業を継続していたことを確認するための資料になります。
④ 法人の役員の場合は、当該法人の役員としての経験年数分の商業登記簿謄本(役員欄の閉鎖謄本等)
※大阪独特のルールですが、許可申請受付の際には大阪指定様式の表紙に行政庁の確認印を押すこととなっています。非常に大切な書類となりますので、保管には十分注意してください。
◇支店長等(前回の記事の補足で書いている令3条使用人等)における経験の場合(以下のすべての書類)
◆建設業許可通知書(経験年数分)
→許可を受けた時に許可期限○年○月○日~○年○月○日って記載されてるものです。
◆建設業許可申請書の一部(受付印又は確認印のある表紙、営業所一覧表(様式第1号別紙2)及び建設業法施行令第 3 条に規定する使用人の一覧表(様式第11号))
ただし、平成 21 年 4 月 1 日の改正以前にあっては、営業所一覧表(様式第1号別紙2)に代えて建設業許可申請書別表
◆変更届の一部(受付印若しくは確認印のある表紙又は完了通知のはがき、変更届出書(様式第22号の2)及び調書(様式第12号又は13号))
◆決算変更届の一部(直近分)(受付印又は確認印のある表紙若しくは完了通知のはがき)
今回はここで一度休憩
④⑤のパターンのほかにその他の論点も盛りたいので今回はここで一度休憩しましょう!
次こそ経営業務の管理責任者に終止符を打ちたいと思います。
ではまた次回お会いしましょう!
お疲れ様でしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。