【完全保存版】日本一詳しい建設業の業種紹介!(大工工事業・左官工事業)
2017.07.11更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
引き続き建設業の業種についてです。
前回は一式工事についてご説明したので、今回は専門工事について掘り下げていきましょう。
あくまで個人的意見ですが一式工事よりも専門工事(職人)をやっておられる会社さんからの方が多いような気がします。
じゃあまずは大工工事業から見ていきましょう。
大工工事業とは?
木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事のことをいいます。
木材って入っているのがポイントです。
工事の例示
大工工事、型枠工事、造作工事があたります。
大工工事や造作工事ってのは文字通り想像してもらって問題ありません。
この中で注意する必要があるのは型枠工事です。
型枠工事とはコンクリートを流し込む型を作ってます。
この型枠、木造だけじゃなく金属製もあるんです。
型枠工事の中でも特に型枠が木製となる場合が大工工事となります。
型枠が金属製のものを使用する場合は鋼構造物工事業として扱われる場合もありますのでお悩みの際は、ご相談ください。
型枠を解体する工事や、コンクリリートを流し込む工事は、解体工事業やとび・土工工事業の許可が必要となります。
豆知識ですが型枠の材料何つかってます?って業界の人に聞いたら大概コンパネですって返ってくると思います。
コンパネ=コンクリートパネル?
ってなると思いますが、コンクリートパネル(コンパネ)って、本来はコンクリートの型枠用合板を指す言葉なんですけど、建築現場においては、厚さ12mmの耐水ラワンベニヤ(木材)を指します。
なので材料聞いてコンパネって回答あったら大工工事ですねでよいかと思われます。
資格のお話し(大工工事業編)
型枠工事の話ばっかであれなんですけど、技能検定に型枠施工技能士(1級、2級)というものがあります。
この型枠施工技能士は、建設業許可(一般)における下記の業種の専任技術者になることができます。
- 大工工事(一般)
- とび・土木・コンクリート工事(一般)
※ただし、等級が2級の場合、合格した後大工工事に関し3年以上実務の経験がいります。平成16年4月1日時点でもっていた人は実務経験は1年で問題ありません。1級については実務経験は不要です。
同じく技能検定に建築大工(1級、2級)ってのがあります。これも建設業許可における大工工事業の専任技術者になることができます。実務経験の要否については型枠施工技能士と一緒です。
マイナーな部分を先に押さえましたが、下記資格でも建設業許可(一般)における大工工事業の専任技術者になることができます。
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(躯体)
- 2級建築施工管理技士(仕上げ)
- 1級建築士
- 2級建築士
- 木造建築士
このうち、1級建築施工管理技士と1級建築士は特定建設業の専任技術者になれます。
型枠施工1級や建築大工1級ではなれないので、1級にも違いがあることを覚えておきましょう。
大工工事業に関してはこんなもんですかね。
次に、「左官工事業」についてみていきましょう!
左官工事業ってとは?
左官工事業とは、工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、またははり付ける工事のことをいいます。建築物に対する吹付け工事も含みます。
よく建築現場で見かけるアイロンみたいなやつで、壁に土を塗り込んでいる工事といえばイメージがつくでしょうか。
工事の例示
左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事
があたります。
この中で少々注意が必要なのはモルタル防水工事と吹付け工事ですかね。
(モルタルとは砂とセメントと水を混ぜた物です。それを塗り付けることにより防水工事をやるイメージです。)
モルタル防水工事は、左官工事だけでなく、防水工事にも当てはまります。
つまりモルタル防水工事は、左官工事業でも防水工事業でもどちらの業種の許可でも施工ができます。
次に吹付け工事の注意点ですが、その前に吹付工事をイメージしてもらった方がわかりやすいと思うので、用語解説から。
用語解説
吹付工事とは壁や天井の仕上げの一種をいいます。住宅のコンクリートやモルタルなどの下地に仕上げ材を機材を用いて吹き付け、付着させる施工方法で住宅の内外壁に様々な色彩や模様をつけれます。
『左官工事』における吹き付け工事とは、建築物に対するモルタル等を吹き付ける工事をいい、
『とび・土工・コンクリート工事』における吹き付け工事とは法面(のりめんといいます。)処理等のためにモルタル又は種子を吹き付ける工事のことを言います。
用語解説
法面(のりめん)とは、切土や盛土により作られる人工的な斜面のこと。道路建設や宅地造成などに伴う、地山掘削、盛土などにより形成される。
資格のお話し(左官工事業編)
技能検定に左官(1級、2級)というのがあります。
この左官(1級、2級)は、建設業許可(一般)における専任技術者になることができます。
※実務経験の要否についての考え方は大工工事業と一緒です。
マイナー先押え原則に従いましたが、下記資格でも建設業許可(一般)における左官工事業の専任技術者になることができます。
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(仕上げ)
終わりに
業種の掘り下げ2回目いかがでしたでしょうか
それでは今回はここまで!お疲れ様でしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。