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建設業と社会保険その4~出向者の社会保険やその他細かいところ編~

2018.01.11更新

建設業と社会保険ラスト~出向者の社会保険やその他細かいところ編~

ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。

色々なテーマでお送りしてきた社会保険は今回でラストです。
来る平成30年4月1日以降にむけて十分な対策が取れるように社会保険ラストは細かいところを掘り下げていきます。では早速いきましょう。

出向って何?

社会保険の相談で結構多いのがこの出向者の保険関係です。
ではまずこの出向の意味から見ていきましょう!

用語解説

出向とは!

「出向」とは、企業が社員との雇用関係をもったまま、業務命令により社員を子会社や関連会社に異動させ、就労させることをいいます。
出向の場合、対象となる社員の籍と給与の支払い義務は出向元企業にあり、社員に対する業務上の指揮命令権は出向先の企業にあります。

建設業と出向は深い関係にあります。以前、一度記事で触れてますが良い機会なので少しおさらいしときましょう。

おさらい

  • 出向社員でも出向先への常勤性が認められれば、営業所ごとに置く「専任技術者」または「経営業務の管理責任者」になることはできる。
  • 出向社員が経営業務の管理責任者になる場合は、出向先の常勤の役員に加入する必要があり、別途法人の変更登記申請が必要となる
  • 既に出向元の専任技術者の場合や経審上の技術者登録がされてる場合は、出向先の技術者に重複してなることは不可能なので、事前に出向元の会社が、その技術者さんの登録を削除する変更届を提出しておく必要がある。
  • 出向社員の雇用および常勤性を確認する資料は以下の通りです。
    • ◇ 出向元と出向先との間で締結された出向契約書や覚書
    • ◇ 出向協定書及び出向辞令
    • ◇ 出向元の社会保険被保険者証の写し
    • ◇ 出向元の賃金台帳、出向先の出勤簿の写し
  • 出向社員は主任技術者・監理技術者になれない!

出向の理解が深まったところで次行きましょ!

出向者の社会保険(健康保険や年金保険、雇用及び労災)ってどうなるの?

さてここからが社会保険の本題です。
上記の対象となる社員の籍と給与の支払い義務は出向元企業、社員に対する業務上の指揮命令権は出向先企業が持つというのはイメージ出来たと思いますが、じゃあ保険はどうなるでしょうか!?

答えは、保険関係の適用はその使用者の責任の所在や、その給与の支払形態によって変わってくるです。

まず、労災保険の場合をみていきましょか。

労災保険の場合

労災保険は、労働者が労務を提供しているほうで適用されます。つまり出向先ですね。
出向先で被った業務上の災害に対する休業補償や障害補償、遺族補償等の各給付は出向先で労災を申請をします。

その際、出向元で給料の全額を支払っているときは、出向元で支払ったお給料を出向先で支払ったお給料とみなし、また、出向元からお給料の一部が支払われている場合には出向先のお給料と合算して平均賃金を算定し、被災労働者に正当な補償が行なわれるようになるそうです。

つぎは雇用保険です。

雇用保険の場合

雇用保険はメイン給料をもらっているほうで被保険者となります。
どちらがメインかを判断しづらい場合には、労働者が選択するどちらか一方で、被保険者資格が認められます。

労災保険と違って雇用保険は、メインお給料が支払われているほうで申告、納付します。
雇用保険の失業給付については、主たる雇用関係がある事業主の支払うお給料のみによって算定します。

本題の厚生年金保険と健康保険は、賃金が双方で負担されているのか、全額出向先で支払われているのかによって取り扱いが違ってきます。

A. 出向先が賃金の全額を支払う場合

この場合には、出向先の社会保険に加入します。出向元事業主は、社会保険事務所(または、健保組合)に「資格喪失届」を提出し、出向先は「被保険者資格取得届」を提出して、新しい資格取得をします。

保険料(事業主負担と本人負担分)は出向先が納付義務を負います。

B. 出向元と出向先が分担して賃金を出向者に支払う場合

この場合には、報酬を合算して保険料を決定した上で、報酬額による按分で保険料を納付することになってます。
まず出向労働者がどちらの適用事業所の被保険者になるかを選択し、選択した事業所を管轄する社会保険事務所に「二以上事業所勤務届」か「所属選択届」を出します。

保険料の納付は、出向労働者の指定した保険者が出向元、出向先双方の賃金を合算し、標準報酬月額を算定し、それぞれが負担する賃金額の割合に応じて保険料をはらうシステムになってます。

C. 出向元が全額支払う場合

この場合には、出向元の被保険者資格が継続されます。つまり給与が出向元から支払われている場合、出向元でってことですね。

D. 出向元から基本給等を支給、出向先事業所より通勤手当や住宅の給与(現物給与)をしている場合

年金機構が出向先事業所においては通勤手当、住宅の供与のみの支払いであり、これのみをもって常用的使用関係があるとは認めがたいことから、二以上勤務の被保険者とはならないといってるみたいです。つまり社会保険は出向元でってことです。

ではラストに細かいとこを見ていきましょう。

建設業の許可・更新時に必要となる社会保険への加入状況を記載した書面の従業員数は直用の者を含めて数えんの?


直用の者とは、一般的に「当該企業に専属で常時使用される関係にあるが、給与形態や保険加入などの処遇面で社員とは異なる者」とされています。

要はその人が「労働者」なのか、請負で業務を請け負っている「事業者」なのかという観点から考えればさほど難しくないです。詳細は建設業と社会保険その1~背景と適切な保険(一人親方必見!)~を参照してください。

保険未加入が判明した場合、許可行政庁から保険担当部局へ通報されんの?

すぐに通報されることはありません。
まずは指導文書により保険への加入を指導し、一定期日までに加入したことを報告するように指導がなされます。
未加入企業が許可行政庁の指導に従わず、なおも保険に加入しない場合に、保険担当部局に企業名 (事業所名) などが通報されます。

元請企業やねんけど社会保険未加入の下請け企業の指導ってどこまでやればいいのか?

平成24年7月4日に国土交通省から示された「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」による下請指導の対象は、元請企業と直接の契約関係にある者に限られず、元請企業が請け負った建設工事に従事するすべての下請企業が対象となります。

元請企業やねんけど2次、3次など下位の下請企業も直接指導する必要があるのか?

元請企業がすべての下請企業に対して自ら直接指導を行うことが求められている訳ではありません。直接の契約関係にある下請企業に指示し、又は協力させ、元請企業はこれを統括するという方法で行うことも可能とされています。

ただし、直接の契約関係にある下請企業が指導を怠った場合や、直接の契約関係にある下請企業がその規模等にかんがみて明らかに実施困難であると認められる場合には、元請企業が直接指導を行うことが必要です。

元請企業やねんけど建設業許可を持ってない下請企業も元請が指導する必要があるのか?

建設業の許可の有無にかかかわらず下請企業に対する加入指導を元請企業から行うこととされており、建設業許可を持たない下請に対する指導も必要です。

元請企業やねんけど未加入の下請企業の指導はしたくない。この場合、元請企業に対し何か罰則があるんでしょうか?

許可行政庁が本店及び営業所への立入検査や建設工事現場の立入検査を行った際に、元請企業から未加入の下請企業に対する指導が行われていないことが確認された場合には、指導を行っていない元請企業に、現在のところ法令上の監督処分は予定されていません。

終わりに

少々難解であった社会保険の掘り下げはいかがでしたでしょうか。

さて次回からは決算変更届についてやっていこうと思います!
では今回はここまで!お疲れ様でしたm(_ _)m

行政書士 中市 勝

【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝

建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。

決算変更届5,000円~!

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