建設業許可を飛ばさないために!決算変更届について初心者向けに1から徹底解説⑨!~【財務諸表個人事業主編】貸借対照表、損益計算書+α~
2018.03.23更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
今回で決算変更届はラストです。
目次
本題の前に!個人事業主が出す書類とタイミング
法人と個人で出す書類が違うことを伝えていなかったので、念のためザックリと記載しておきます。
法人
- 変更届出書
- 工事経歴書
- 直近三年の各営業年度における工事施行金額
- 使用人数(変更があった場合は要届出)
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(変更があった場合は要届出)
- 定款の写し(変更があった場合は要届出)
- 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書)
- 株主資本等変更計算書
- 注記表
- 附属明細表(株式会社で、資本金の額が1億円超であるもの又は直前決算の貸借対照表の負債の合計額が200億円以上である場合は必要)
- 納税証明書
- 事業報告書(株式会社のみ)
- 健康保険等の加入状況
個人事業主
- 変更届出書
- 工事経歴書
- 直近三年の各営業年度における工事施行金額
- 使用人数(変更があった場合は要届出)
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(変更があった場合は要届出)
- 財務諸表(貸借対照表、損益計算書)
- 個人事業税に関するもの
- 健康保険等の加入状況
法人はいいとして、個人事業主の個人事業税に関するものについて少しだけ解説します。
まず個人事業者の事業年度は暦年(1月1日から12月31日まで)となっており、自身の意思で選べないんですね。
なので事業年度終了後4カ月以内が提出期限の決算変更届の提出期限はMAXで4月30日です。
ちゃんと覚えといてくださいね。
そして決算変更でお悩みの方は今すぐお問い合わせください!
年度途中で開業したのですが、それでも4月末が期限なんでしょうか?
年度の途中で開業しても個人事業主の事業年度は暦年なので、6月1日に開業した場合には、6月1日から12月31日までと思ってしましがちですが、開業した年の1月1日から12月31日までが事業年度なので気を付けましょう。
極まれに6月1日~次の年の6月1日って考えてしまう方がおられますので注意が必要です。
ちなみに個人事業税の納税証明書は8月中旬までは大阪府税事務所では交付されません。
所得税確定申告期限から8月中旬までは、納税証明書に代えて、所得税の確定申告書のうち税務署の受付印のある第一表の写しを添付しましょう。
※電子申告の場合は税務署の受信通知、第一表に税務署の受付印がなく第二表に税理士等の記名捺印がある場合は第二表も必要です。
やむを得ない事情により決算変更届の提出が遅れ、5月以降8月末日までに提出する場合も一緒です。
9月以降に出す場合は、大阪府税事務所で個人事業税の納税証明書が交付されるんでそれを添付しましょう。
では本題にいきましょう。
個人事業主が決算変更届に添付する貸借対照表!
2年位前のデータですけど個人事業主の80%が青色申告で申告予定、白色申告予定は13%くらいというのがあったので、だいたいの人は青色申告(65万円控除)をしていると思います。なので税務申告するときに提出した貸借対照表をもとに転記するだけでOKです。
では大阪の手引きを基に考えていきましょう。
記載要領
下記4つの勘定科目以外は法人と同じでOKです。
- 期首資本金 前期末の資本合計
- 事業主借勘定 事業主が事業外資金から事業のために借りたもの
- 事業主貸勘定 事業主が営業の資金から家事費等に充当したもの
- 事業主利益(事業主損失) 損益計算書の事業主利益(事業主損失)
1000円単位で記載しましょう。
なければ書かないでOKです。
文言通りですね。
その他が規定ラインを超えたら明示しましょう。詳しくは貸借対照表法人編参照。
文言通りですね。
建設業特有の引当金としては以下を参考にしてください。
- 工事損失引当金→赤字の発生する可能性のある工事について、未成工事支出金の評価項目として引当金を計上するイメージ
- 完成工事補償引当金→工事が完成してから一定期間無償修理を補償している契約がある場合は、その発生する費用に備えて発生確率を考慮して引当金を計上するイメージ
- 環境対策引当金→環境対策を目的とした支出に備えるため、その処理に係る費用をあらかじめ見積って引当金を計上するイメージ
ただし、経営状況分析申請書又は経営規模等評価申請書に添付する場合には、税抜方式を採用すること。
前段はいいとして、後段には注意しましょう。経審するときは税抜で作成する必要があります。
貸借対照表個人編はこのぐらいにしておきましょう。
個人事業主が決算変更届に添付する損益計算書!
内容は法人用とほぼ同じなので難しく考えなても大丈夫です。
法人用と見比べて違うとこは事業主利益(事業主損失)というのがあるくらいです。
事業主利益ってのも言葉通りで個人事業主がどんだけ稼いだのかって意味でとらえてください。
法人と一緒ですね。
4. 金額の記載に当たって有効数字がない場合においては、科目の名称の記載を要しない。
5. 建設業以外の事業(以下「兼業事業」という。)を併せて営む場合において兼業事業における売上高が総売上高の10分の1を超えるときは、兼業事業の売上高及び売上原価を建設業と区分して表示すること。
6. 「雑費」に属する費用で、販売費及び一般管理費の総額の10分の1を超えるものについては、それぞれ当該費用を明示する科目を用いて掲記すること。
7. 記載要領6は、営業外収益の「その他」に属する収益及び営業外費用の「その他」に属する費 用の記載に準用する。
8. 注は、工事進行基準による完成工事高が「完成工事高」の総額の10分の1を超える場合に記載すること。
上記3~8は決算変更届についてその4の3~【財務諸表法人編】損益計算書~と一緒なので左記をご覧ください。
これで決算変更届は終了です!
終わりに
決算変更届完走しましたがいかがでしたでしょうか?
ちなみに東京では東京行政書士会が作成した建設業財務諸表マニュアルなるものが売ってるようですよ。
さて次回からはついに経審にいきます。細かい内容やポイントアップ等を掘り下げていきたいと考えとります。
決算変更でお悩みの方は今すぐお問い合わせください!
では今回はここまで!おつかれさまでしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。