建設業許可を飛ばさないために!決算変更届について初心者向けに1から徹底解説!【概要】
2017.05.07更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
「経営業務の管理責任者」に「専任技術者」・・・複雑な内容に頭を悩ます日々が続いているかたもおられるのではないでしょうか。
さて、決算変更届って知っていますか?建設業関連では結構検索されるワードで、過去の記事でも内容には触れてないですが登場したこともあります。
今回はこの決算変更届について掘り下げていきましょうか。
目次
決算変更届ってなんですの?
決算変更届とは、建設業許可をもっている事業者が、1年間の工事実績と決算内容を大阪府知事に所定の書類で届け出るものです。
よく似たものに税理士さんが作る決算報告書がありますけど同じものではありませんのでご注意ください。
この税理士さんが作った決算報告書をも建設業簿記に書き換え、工事経歴書や事業報告書等をセットにして届出をするのが、この【決算変更届】というもんです。
この決算変更届は毎年決まった時期に出す必要があり、「建設業許可更新申請に必要不可欠な届出」ですので要チェックです。
- ※ 設業許可の有効期間満了までの5年分が提出されていないと更新許可の申請を受け付けてくれません。
- ※ 業種追加の申請も受け付けてもらえません。
決まった時期っていつなん?
決算変更届は事業年度終了後、4ヶ月以内に提出しましょう!
世の中には毎年提出義務付けられているのに忙しくて出せないという建設業者さんや、
建設業許可更新申請の際に5年分まとめてに一回出せばええんちゃうのっていう解釈をされるかたがおられますが、届出をしないと非常に不利益を被るので注意しましょう。
作成までのシュミレーションをしてみましょう!
法人で建設業を営んでいる場合、事業年度終了から2、3か月後あたりで税務署へ決算申告をすると思います。
ということは、その決算申告に使用した決算報告書の内容を元に作成する決算変更届は、
税務署への決算申告に使った日数を省いた残りの日数が実質の作成・提出期間になります。
なので、4か月あるからといって油断は禁物です。さらに建設業許可更新を控えている場合は尚更注意が必要です。
前半の2,3か月は税務申告に時間を使うと思うので、建設業者としての決算変更届にかけられる日数は、約1か月から多くて2か月程度しか無い計算になります。
提出期間を守れる気がせーへんねんけど罰則とかあるんかな?
建設業法50条に罰則規定があります。
- 「六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」
- 「情状により、懲役及び罰金を併科することができる。」
下記は決算変更届未届けに対する大阪建築振興課からのメッセージです。
決算変更届の提出について〔住宅まちづくり部 建築振興課 建設業許可グループ〕
決算変更届は必ず毎年提出してください。
期限内に提出されない場合には、個別に指導を行い、なお改善されなければ、建設業法に基づく監督処分を行うことがあります(建設業法第28条)。
決算変更届が提出されないと、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる場合があります。(建設業法第50 条)
実際は上記よりも
- 許可の更新が受け付けてもらえない
- 業種追加の申請も受け付けてもらえない
ってのが一番ネックになると思います。転ばぬ先の杖って言葉もありますので、ここは大人しく期日通りに届出を行うに越したことはないですね。。
※ 仕入れた情報では、平成29年1月から大阪府の決算変更届に関する取扱いが変更されたとのこと。
これまでのように何期分かをまとめて提出すると、提出時に担当課の内部に呼ばれ、法令通り提出するよう指導されるようになったらしい。そして、その指導後も法令を守らない場合は、処分対象になることもあるとのことです。
でも5年分まとめて出した方が楽ちんやん!
そんなことは全くありません。むしろ5年分を一度に届出する方が大変です。
それこそ毎年出してたら行政書士さんに頼まなくても出来たかもしれんし、貯めこんで案件の難易度が上がるほど、行政書士さんに依頼する場合、報酬が高くなります。難易度があがる理由は過去5年の書類収集や工事経歴書の作成が難しくなるからです。
例えばですけど決算変更届中の「工事経歴書」ですが、遡って5年分の工事請負金額や工期、担当者や現場名等がスラスラ記載できますか?こういった場合、調べていただく事が通常の決算変更届の何倍にも膨れ上がり通常業務に支障をきたす恐れもあります。
ちゃんと出すから決算変更届に必要な書類教えてや!
決算変更届の表紙
- 変更届出書
- 工事経歴書
- 直近三年の各営業年度における工事施行金額
- 使用人数(変更があった場合は要届出)
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(変更があった場合は要届出)
- 定款の写し(変更があった場合は要届出)
- 財務諸表(貸借対照表(法人用)損益計算書、完成工事原価報告書(法人用))
- 株主資本等変更計算書
- 注記表
- 附属明細表(株式会社で、資本金の額が1億円超であるもの又は直前決算の貸借対照表の負債の合計額が200億円以上である場合は必要)
- 納税証明書
- 事業報告書(株式会社のみ)
こんなもんですかねー。どんな書類かは大阪府のHPより書類一覧が確認できるので、ご覧いただいたほうがイメージしやすいかと思います。
その他の論点としたら経営事項審査を受ける予定がある場合とかが考えられますが、まずその経営事項審査ってなによ?ってなるのでここは時期が来れば掘り下げていきたい思います。
それでは今回はここまで。お疲れ様でしたm(_ _)m

【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。