公共工事に参入する!経営事項審査(経審)について初心者向けに1から徹底解説⑨!~アルファベット(審査項目)【Zをもう一歩掘り下げ編(技術職員実務経験申立書と常勤確認資料)】~
2018.06.13更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
またまた今回もアルファベット編となりますが辛抱強くお付き合いくださいませ!
まぁしかし経審はなかなか終わらないっすねー!あと10パートぐらいになるやもしれんですな。
では今回は次回予告!とおり技術職員実務経験申立書と常勤確認資料をいきましょかー!
目次
はじめるまえに!
前回の技術者名簿の件ですが大阪府に経審申請するときの技術者名簿と、近畿地方整備局(つまり大臣)に経審申請するときの技術者名簿に若干相違があるので掘り下げる前に比較してみましょうか。あと前回の記事もチョビッと補正しときます。
◆大阪府の技術者名簿の補足
一応順番は決まっているようなんで以下のア~オの順番で記載しましょう。って書いてますが若干説明抜けてました。正しくは、こうです。
記載順序は任意ですが、「在籍確認書類」と速やかに突合できるようにしてください。技術職員数が 31名以上又は営業所数が3か所以上の場合は、可能な限りアからオの順(もしくは標準報酬決定通知書の順に記載してください。
- ア.技術職員である経営業務の管理責任者(技術職員でない場合は記入不要)
- イ.専任技術者(建設業許可を持つ業種、営業所全て)
- ウ.国家資格者
- エ.基幹技能者
- オ.実務経験者
ってな感じです。
◆大阪府(一般)と近畿地方整備局(大臣)との違い
大臣許可に関してお問い合わせをくれた方もおられるのでチョビッと触れときます。
① 記載順序が違います。
大阪府に関しては上記の補足通り任意ですが、近畿地方整備局に申請する場合は満年齢順に記載しましょう!満年齢が上がるのは誕生日の前日ってことになってるので、審査基準日平成29年11月30日においては生年月日が、
- 昭和57年12月1日以前の者は満35歳以上
- 昭和57年12月2日以降の者は満35歳未満
ってなります。
② 新規掲載者が違います。
まぁこれは大阪府に確認しないとですけど手引きを見る限り、当該審査対象年内に新規に若年技術職員となった者に「○」を記入としか書いてないんで恐らくこのような取り扱いになってると思いますが、近畿地方整備局に申請する場合、この新規掲載者のとこには審査対象年内(当期事業年度開始日の直前1年以内)に技術職員となった者に○をつけます。
そしてこの〇の中には
- 審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、審査対象年内に新たに資格を有するに至った若年者
- 審査対象年より前から資格を有しており、審査対象年内に6か月を超える恒常的な雇用関係を有するに至った若年者
を含みます。ってな感じです。
つまり若年者は6か月を超える恒常的な雇用関係があれば新規掲載者のとこに〇つけてもいいよーっていう若者バンザイ的なもんです。
ヨッシャじゃあ本題にいきましょか!
技術職員実務経験申立書?言葉が難しいんで書きたくないわー。
確かに!もうちょいフレンドーな名前でもいいとは思うんですけどねー。
ちなみにこれ必要な場合にみ出せばいい書類ですんで要注意っす!
では技術職員実務経験申立書がどんな場合に出さんなあかんかを見ていきましょか!
技術職員実務経験申立書が必要になるパターン
様式記載要領にかいてあるんで、まずはそれを見ましょうか。
相変わらず長いなぁー!簡単に言うと『資格がないので実務経験で勝負(技術者になる人)する人はこれ出してね。でも専任技術者の人(昔専技やった人含む)は許可申請(変更)したときに実務経験証明書有るからいらんよ。』ってことです。
実務経験要件の緩和については専任技術者について~ラスト~【学歴、2業種以上の専任技術者・緩和措置等】参照。
資格があるならその資格証明書出せば、それで済む話なんで気にしなくてダイジョブですが一応下記のような決まりがあるんで見といてください。
専任技術者以外の国家資格者等は、国家資格者等・監理技術者一覧表(規則様式第11号の2)による届出が必要!
ただし、審査対象事業年度に雇用され、審査基準日以降の4か月以内に退職している国家資格者等は、国家資格者等・監理技術者一覧表による届出がない場合でも、以下の全ての確認書類があれば技術職員名簿に記載できます。
- ア.国家資格の免状、資格証等の写し
- イ.審査基準日以前6か月を超える恒常的雇用関係・常時雇用が確認ができる書類
- ウ.審査基準日以降4か月以内の退職が確認できる書類(健康保険、雇用保険又は住民税特別徴収関係の書類)
ほんじゃ書き方にいきましょか―!
かきかた!
技術者名簿を掘り下げた時と同じ感じでいきまっせー。
① かきかたの前にこの書類は技術者一人につき1枚提出しましょう!
② 記載は申請業種ごとにしましょう!
例)
- ア)平成3年1月から平成7年1月までとび・土工経験(通算4年)
- イ)平成7年2月から平成17年2月まで内装経験(通算10年)
- ウ)平成17年3月から平成23年3月までとび・土工経験(合算10年)
この場合アとウをまず記載します。そのあとにイを書きます。
要するにゴチャゴチャにしないでねってことです!
③ 実務経験年数は「審査基準日」までの経験で、期間計算は片落ししてください。
審査基準日後の経験は入れちゃダメ!
用語解説
片落としとは!
「初日」または「期日」のどちらか1日を日数に含めないことをいいます。経験年数は月単位で書くんで、その始まりと終わりの期間がかぶらないようにしましょう!
解体工事が絡む場合の補足
※ 平成28年5月31日までの、「とび」及び「解体」の実務経験のみ、期間の重複が認められますけど、その他の業種の重複はダメです!
ただし、「解体」の実務経験は同一の書面に「とび」とは分けて記載してください。解体〇年、とび〇年ってな感じ。
念のため、実務経験についてチョイ堀しときます。
実務経験とは!
29種類の建設工事のうち、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関する技術上の経験をいいます。
なので建設工事の施工を指揮、監督経験や実際に建設工事の施工に携わった経験はもちろんのこと、これらの技術を習得するためにした修行期間も含まれます。
ほんで、この実務経験は請負人の立場における経験に限られないんで、建設工事の注文者側において設計に従事した経験や現場監督としての経験も含まれますけど、工事現場の単純な雑務(ゴミ捨て等)や事務に関する経験は含まれないんで注意しましょう!
④ 使用者の商号または名称は使用者ごとに、一行ずつ記載しましょう。
⑤ 実務経験の内容は具体的な工事現場名を書きましょう!
例)超大阪ビルコンクリート工事ぐらい書けばOKです。
⑥ 前回申請以前の申立書に記載した実務経験年数と重なる期間については、業種を変更することはできない。
文言の通りでございます。
技術職員実務経験申立書はこんなもんですかね。
じゃあ次は常勤確認資料にいきましょか!
技術職員名簿に記載されている職員の審査基準日以前6か月を超える恒常的雇用関係及び常時雇用を確認する資料。
とりあえず手引きちゃんに載ってる一覧をみていきましょか。
- ア.法人にあっては、法人税確定申告書のうち「役員報酬手当等及び人件費の内訳」及び「決算報告書のうち一般管理費及び工事等原価報告書(報酬・給与・賃金額がわかるもの)
- イ.個人事業者にあっては、所得税確定申告書のうち収支内訳書と第二表又は青色申告決算書(専従者給与額及び給与支払者の給料賃金額(個別の内訳がわかるもの))
- ウ.事業主の国民健康保険被保険者証又は後期高齢者医療被保険者証、及び直近(6 月以降の申請は当該年度分)の住民税課税証明書(事業主を技術職員名簿に記載した場合に限る)
- エ.健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書(協会けんぽ以外の健康保険に加入している場合は、当該健康保険組合の標準報酬決定通知書)及び健康保険被保険者証(事業者名の記載があるもの)
- オ.船員保険適用被保険者にあっては、船員保険被保険者証
- カ.雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(本人交付分)
- キ.住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用及び納税義務者用(給与収入及び徴収額がわかるもの))
- ク.所得税源泉徴収簿等
まぁ建設業で常勤確認するときの資料と大差ないんで過去の記事見てもらえればダイジョブかなと思いますが何点か注意点があるんで見ときましょう。
注意する所
技術職員名簿に記載した全ての技術職員の常勤確認資料を見よるんで、ちゃんとみんなの分を集めましょう!
源泉徴収簿等は、技術職員名簿に記載した全ての技術職員(個人事業主を除く)について必要なんで、捨てずにとっておきましょう!なくしたときは会社の経理さんに言えば発行してくれるんでなくしても、19さんの名言通りあわてない、あわてない一休み一休みでOKです。
健康保険被保険者証に事業所名の記載がない場合は、併せて健康保険組合理事長などによる事業所名の記載のある資格証明書を提出しましょう。
よく分からん時はけんぽれん[健康保険組合連合会]!
申請日までに退職した技術職員は、健康保険被保険者証の写しに代えて「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」「住民税特別徴収に係る異動届出書」「雇用保険被保険者資格喪失届」の写しのいずれかを提出しましょう!
上に同じ!分からん時は『けんぽれん』!
被保険者報酬月額算定基礎届(算定基礎届)は原則、恒常的雇用関係及び常時雇用の確認書類にはなりませんので、ご注意ください。
確認書類にはならんけど、概要知りたい方はここ見てくださいな。
算定基礎届の提出|日本年金機構
原則ならないってことはやり方次第ではなんとかなるかもですね!
技術職員については、審査基準日以前 6 か月を超える恒常的雇用関係及び常時雇用を確認しますので、住民税特別徴収税額通知書、健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書、所得税源泉徴収簿などは、審査基準日によって 2 期分が必要となる場合があります。
これは大阪の手引き見た方がいいっすね。69~70ページに図解付きで記載されてます!
確認書類等で申請業者以外から報酬等があると確認できる場合、技術職員の住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用及び納税義務者用)を提出してください。
出しましょう!
まだまだありますが今回はこれで一区切り。あわてないあわてない一休み一休み。
終わりに
まだまだ続くよZ点。。。
細かい取り決めが多すぎて、見てる方も挫けてしまうかもしれません。
ですが!そんな時にはお問い合わせ(メールが良いなぁ)ください。
次回もZ点の一歩掘り下げパティーンになると思います!
では今回はここまで!お疲れ様でしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。
経営事項審査にお困りですか?今すぐ無料相談!分析申請:3万〜(税抜)、経営事項審査申請:8万〜(税抜)
グループで建設業手続き300件以上の豊富な実績/相談無料!/サービスNo.1宣言!/大阪府西区のローイット関西行政書士事務所