【完全保存版】日本一詳しい建設業の業種紹介!(機械器具設置工事業・熱絶縁工事業)
2017.09.23更新
ご訪問いただきありがとうございます。
ローイット関西行政書士事務所の行政書士の中市です。
さて今回は機械器具設置工事業・熱絶縁工事業です。
どんなことやってるかすぐ答えられる人はなかなかいないのではないでしょうか。
しかも機械器具設置工事業は非常に複雑です。
ゆっくり、丁寧にわかりやすくやっていきましょう。
目次
機械器具設置工事業とは?
機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事をいいますが、実際のところは非常に複雑です。
その理由ですが、
機械器具設置工事には広く全ての機械器具類の設置に関する工事が含まれるという前提があるんですが、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』等と重複するものもあります。
これらについては、原則としてそれぞれの専門の工事の方に区分するとの決まりがあります。
にもかかわらず機械器具の据付に複数の専門工事がかかわる場合は機械器具設置工事なんです!
分かりにくいですが、
この工事業の考え方は各専門工事に区分されるものはその専門工事でやりましょう。
いずれにも該当しない機械器具設置や、複合的な機械器具の場合は機械器具設置工事ですよ。って考えてください。
この業種はイレギュラーな場合が多々あるんで、Q&Aを記載しときます。
もしもの時のQ&A
質問:機械製品が大きすぎて運べんから、一度分解して納品先で組み立ててんねんけどこれは機械器具設置工事なん?
回答:機械製品が、他の工作物と一体化することで初めて機械本来の性能を発揮するものであれば機械器具設置工事業で、他の工作物と一体化することなく機械本来の性能を発揮できるものであれば、とび・土工工事業に該当します。
例えばの話ですが超大型洗濯機を分解して一般家庭で組み立てた場合はとび・土工工事業です。
理由は洗濯機は単独で性能発揮できるからです。納品のために分解しても、運搬のために必要な作業の一部です。
機械器具設置工事の許可取得を考えてる方は、上記のポイントをしっかりおさえておきましょう!
では次に工事の具体例を見ていきましょうか。
工事の具体例
プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設備工事、立体駐車設備工事等があります。
比較的大規模な工事が多いです。しかしおさえるポイントは説明した通りなんで、工事のイメージ持ってもらうための用語解説です。
用語解説
プラントとは!
プラントとは一般的に、発電プラントや鉄鋼プラント、石油プラントなど、巨大な装置をもつ生産施設、エネルギー施設の事をいいます。プラント設備工事はその言葉通りです。
サイロ設備工事とは!
サイロってのは米・小麦・とうもろこし・大豆等の農産物、家畜の飼料を蔵置・収蔵する倉庫、容器等のことを言います。それの設備工事です。ちなみにミサイルの地下発射施設もサイロって言います。
他の専門工事との境界
ガイドラインより
- 『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。
- 「運搬機器設置工事」には「昇降機設置工事」も含まれる。
- 「給排気機器設置工事」とはトンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事であり、建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『機械器具設置工事』ではなく『管工事』に該当する。
- 公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』等に区分すべきものである。
上記の通り非常に複雑です。
資格のお話し(機械器具設置工事業編)
以下の資格を持っていれば、建設業許可(一般)における機械器具設置工事業の専任技術者になることができます。
- 技術士法による第二次試験のうち技術部門を機械部門に合格した人
- 技術士法による第二次試験のうち技術部門を総合技術監理部門(選択科目を機械部門に係るものとするものに限る。)とするものに合格した人
- 技術士試験で機械「流体工学」または「熱工学」にした人
- 技術士試験で総合技術監理(機械「流体工学」または「熱工学」)に合格した人
ちなみにこの中のいずれかをもっていれば特定建設業許可の専任技術者になることもできますよ。
ほかの専門工事と比べて専任技術者になれることが出来る資格が圧倒的に少ないのが特徴です。機械器具設置工事業の許可取得の際には非常に大きな壁となります。
ちなみに弊所でも技術士法合格者は建設コンサルタント登録の際にしか見たことはないです。
機械器具設置工事はこんなもんにしときましょう。
では次は熱絶縁工事業を掘り下げていきましょう。
熱絶縁工事業ってなんなん?
工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事を言います。
言葉の通り熱を絶縁する工事です。
もう少し詳しく解説すると熱エネルギーを効率的に利用するために、ビルやマンションの冷暖房設備や給排水設備、工場や発電所、化学プラントなどの機械や配管類に対し、目的に合わせた保温・保冷工事を行う工事の事です。
具体的な内容が分かったところで工事の具体例見ていきましょうか。
工事の具体例
冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事等があります。
ここではウレタンとウレタン吹付け工事を解説しましょう。
用語解説
ウレタンとは!
原油から取れるポリオール・イソシアートの反応を主軸とし、添加剤を加えて形成されるウレタン結合をもつものだそうです。ウレタンは、気泡のような “セル” がたくさんつながったような構造になってるそうです。
一言で表すなら『ソファの中に詰められているもの』がウレタンです。
ウレタン吹付け工事とは!
ウレタン原液を特殊な機械を用いて混合・発泡させて断熱したい壁や天井に吹き付ける工法のことを言います。凄く細かい気泡構造のフォームで造られてて他の断熱材よりも優れた断熱性能を持ってます。
他の専門工事との境界
ありません。
資格のお話し(熱絶縁工事業編)
- 法による技術検定のうち検定種目を1級の建築施工管理に合格した人
- 法による技術検定のうち検定種目を2級の建築施工管理(種別を「仕上げ」とするものに限る。)とするものに合格した者
- 職業能力開発促進法による技能検定のうち検定職種を1級の熱絶縁施工に合格した人
- 職業能力開発促進法による技能検定のうち検定職種を2級の熱絶縁施工とするものに合格+熱絶縁工事に関し3年以上実務の経験がある人
- 平成16年4月1日時点で旧技能検定のうち検定職種を1級の熱絶縁施工とするものに合格していた人
- 平成16年4月1日時点で旧技能検定のうち検定職種を2級の熱絶縁施工とするものに合格していた人+合格後に熱絶縁工事に関し1年以上実務の経験を有する人
- 建築工事業及び熱絶縁工事業に係る建設工事に関し12年以上実務の経験を有する者のうち、熱絶縁工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する人
ちなみに1級建築施工管理技士をもってたら特定建設業許可の専任技術者になることもできます。
終わりに
久しぶりにイメージがつきにくい業種が出てきました。
この記事で少しでも理解が深まってくれれば、嬉しく思います。
では今回はここまで!お疲れ様でしたm(_ _)m
【執筆者】ローイット関西行政書士事務所
代表行政書士 中市 勝
建設業手続きの実績はグループで300件以上。関西に携わる建設業関連(建設業・産廃業・宅建業)をメイン業務とし、その中でも建設業許可に特化。大阪・東京での行政書士事務所のグループとして一人親方から上場企業まであらゆるニーズに対応。